投谷八幡宮では、千三百年の歴史の中で受け継がれてきた、地域に根ざした祭事を執り行っております。
王子神幸祭 ─ 千年の浜下り
十人法衣による神幸行列 ─ 室町の祈りを今に伝える
毎年十月の例祭として執り行われる王子神幸祭(おうじしんこうさい)は、当宮最大の伝統行事です。地元では「浜下り(はまくだり)」とも呼ばれ、地域の人々に愛されてきました。
十人の氏子(十人法衣)に代々継承されている四鉾と六王子が二手に分かれて御旅所へ神幸する、由緒ある神事。六王子は弘治二年(一五五六年)作の王子面を用い、室町の祈りを今に伝えています。
投谷八幡の父様と伝えられる御旅所。男神の力強い御神徳を授かる地として、長く崇敬されてきました。
投谷八幡の母様と伝えられる御旅所。母性と慈愛の御神徳を授かる地として、特に女性たちの信仰を集めています。
令和四年の社殿火災以降も、地域の皆様の協力のもと、この大切な伝統は守り継がれております。
茅の輪くぐり ─ 夏越の大祓
茅の輪をくぐり、半年の穢れを祓う
七月に行われる「茅の輪くぐり」は、半年間の穢れを祓い、無病息災を願う神事です。一般的な茅で作られた輪をくぐる神事とは異なり、投谷八幡宮では独特の習わしが伝えられています。
当宮独自の茅の輪くぐり
当宮の茅の輪くぐりでは、榊柴(さかきしば)で塩水をかけるという、他にはない独特の作法が伝えられています。これは古来より受け継がれてきた、当宮ならではの祓いの形式です。
参拝者の皆様にも、この神事にご参加いただけます。輪をくぐり、塩水で身を清め、清々しい心で残り半年を迎える ─ そんな祈りのひとときをお過ごしください。
カギ引き・田植神事 ─ 五穀豊穣を祈る
古式ゆかしく牛を引く所作 ─ 五穀豊穣を祈る
二月に執り行われるカギ引き・田植神事は、その年の五穀豊穣を祈る、古式ゆかしき農耕神事です。農業を中心としてきた当地域にとって、欠かすことのできない大切な祭事として、長く守り継がれてきました。
カギを引く所作、田植えを模した儀式 ─ 一つひとつの動作には、自然への感謝と、豊かな実りを願う祈りが込められています。